Room of Minami
怒り初め
2009/01/03

昨日見た「開運なんとか」という番組で、髭男爵のおふたりが前世療法を受けてました。

男爵さまの方は、食べても食べてもまだ食べたいのがなぜか、知りたいそう。

(これは、前世療法的にはだいたい「餓死」が原因です。
それと、性的な暴行を受けた女性。
こちらは、無意識に美しくなくなることで被害をさけようとするのだそうです。)

男爵に前世が見え始めたようです・・・。
歳ははたちくらい。
何をしてますか?
「魚、拾ってます・・・・」

さらに時間を進めてみます。
何をしてますか?
「魚、拾ってます・・・」

さらにさらに時間を進めても
「魚、拾ってます・・・・」

魚売れないの?
「魚、さばけない・・・」

魚はほとんど売れず、さらには時々腐っているようです。
そりゃそうでしょう。
釣ってるんじゃなくて、おそらく死んだのを拾ってるんでしょうから。

結婚は?
「むりだと思います・・・」

400年前、日本の北の方の、かおりという女性だそう。
魚を拾って、それだけを食べて露命をつなぐ、あまりに貧しい、惨めな一生。

最期は、おなかを壊して苦しんで死んだそう。
おそらく、拾った魚が腐っていたのでしょう。

(東北地方では気象条件のせいで、明治の始めあたりまでこういう状況はあったようなので、リアリティがあります。)

私は彼女(ひげ面の向こうで、時の彼方から語りかけている女性)が
「さびしい・・・さびしい・・・」
と絞り出すようにうめいた時、ついにもらい泣きしてしまいました・・・。
かわいそうに・・・。


で!
私がなぜわざわざこれを書いてるかというと、その時スタジオがずっと爆笑していたからなのです・・。
若い情ナシのヒヨコ・・じゃなくて、泉ピン子さんとか、和田アキ子さんとか、けっこう人に説教するようなひとが、真っ先に大笑いしている。

前世なんて、気のせい気のせい!!

こう思ってるからなんだろう・・・と自分に言い聞かせてみましたが、やっぱりどうも・・・。

描かれてるのは一人の女性の貧しく苦しい一生ですよ。
笑い事ではないはずです!!

人の苦しみに、あまりに同情がなさすぎる!

なぜ魚が捌けないか、釣ろうとしないのはなぜか、
努力が足りないのではない、それすらも望めない貧しさや状況があるのです。

大笑いするその姿を見ていて、なぜか「サテュリコン」の「トリマルキオの饗宴」を思い出しました。
大ローマの飽食と慢心、他者の痛みへの共感の欠如。
滅ぶぞ。

笑うのは好きですが、こういう笑い方は醜悪です。
ケツ出すのを怒るより、こういうのをこそ、テレビで映したらいかん・・・・


しかし我ながらなんというか、ほんと人の怒りどころは千差万別ですね。

バラエティのひな壇で笑って、つまりはきちんと仕事をして、それが画面の向こうで一人の視聴者に湯気立てさせしめてるとは、出演者の方々も夢にも思わないでしょう。(笑

いや、お仕事をなさってたのだというのは、私にも重々分かっているのですが。
同じ内容で「人生相談」だったら、沈痛な声をお出しになるに違いない。(笑

私もムシの居所が悪かった・・というより、この頃、「思いやり」とか「判官贔屓」とか、そういう弱者に対して心を寄せる日本の情趣が失われていってるような気がして、つい・・・。

こういうのの延長線上に、秋葉原殺傷事件の現場で、写メ撮って交換してた、ああいう行為があるんじゃないかって・・・。

それに、子供たちが、こういうのを見て、
「こういうことを笑ってもいいんだ」
と思ったら困るもの・・・。


でも、そういう自分だって、十分に人の痛みが分かります・・・とは、まったくもって言い難く・・。
「今年はもうちょっと人の痛みの分かるひとになりたい」
という、我が年頭の所感でございます。




2009/01/03
2009/01/01
2008/12/26
2008/12/21
2008/12/21

HOME